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子どもの「お口ポカン」は今すぐ改善を!
2024/04/22(月)
マスク生活で「お口ぽかん」と言われる口呼吸が習慣になってしまった子が多いようです。
これは、医学用語で「口唇閉鎖不全」といい、食べる・話すなどの口腔機能の発達が不十分であるという病気「口腔機能発達不全症」のひとつです。
お口ポカン(口呼吸)は、花粉症、ぜんそく、アトピー、歯並びの崩れ、うつなど、様々な不調に繋がることがわかっています。
特に子どもは要注意で、乳幼児期の間に意識して「鼻呼吸」を習慣づけることが大切です。
【お口ぽかんで、病原菌が身体にらくらく侵入】
- 口呼吸すると口内が乾燥し、唾液による殺菌・消毒作用が不十分に。
- 口内に悪玉菌が増殖し、口臭や歯肉炎が発生。
- 悪玉菌が咽頭のリンパ組織に影響して免疫システムに異常が発生。
- 各種アレルギー疾患、自己免疫疾患を引き起こすなど、全身の不調を招く。
ところが言葉を話せるようになってくると、口や舌の機能が発達し、口呼吸も行えるようになります。
鼻は鼻毛と粘膜がフィルターとなり、異物をシャットアウト、入ってきた空気は温度や湿度が調整されるので身体に負担がかかりません。
しかしフィルターのない口から呼吸をすると病原体が体内に侵入しやすくなり、それが免疫システムに悪影響を及ぼすのです。
現代の暮らしが口呼吸を招く
現代の子供たちに口呼吸が増えているのは生活習慣の変化とコロナ対策の影響が大きいと言われています。
≪マスク≫
マスクをかけると気道抵抗が強まり鼻呼吸が苦しく感じられ、無意識に口を開けがちになり、鼻を使わないために病原菌のブロック機能が衰えてしまいます。
≪食事≫
またコロナ以降は、赤ちゃんがものをかじったり舐めたりということを抑制してしまうことが増えたのではないでしょうか。口周りの筋肉を使わないと、より「お口ポカン」を招いてしまう原因になります。
洋食中心のやわらかい食事なども同じ理由で「よく噛む」経験が減少し、口周りの筋肉が弱くなって口呼吸となってしまいます。
≪運動≫
コロナ対策により友達と遊ぶ機会が減少すると、しゃべる機会も減少して口周りの筋肉が弱くなってしまいます。。
呼吸は全身を使うものですが、室内で遊ぶ機会が増え、全身運動の機械が減ってしまったことも口呼吸の一因になります。
鼻呼吸で子どもの歯並びが美しく!
呼吸は、舌を上顎にしっかりくっつけて鼻呼吸するのが理想です。
舌が上顎に密着していれば、口が開いても口呼吸ができず鼻呼吸になります。
この「舌が上顎にくっついたよい呼吸」を続けていると、上あごの横幅がつねに押し広げられ、自然と左右にスペースができてきます。舌の歯並びは上の歯並び倣うので、上顎のアーチがU字になることで、すべての歯がきれいに並ぶことになります。
この位置に舌がなければ、上顎の横幅が狭くなり、歯が生えそろってきた頃には全部の歯が並ぶ十分なスペースがなく、押し合いへし合いガタガタな歯並びになります。
また、口呼吸で舌が上顎から離れていると、舌先が前歯に当たりやすくなり、前歯が押し出されて「出っ歯」になってしまう可能性も。
「いー」と言った時に、上の歯で舌の歯が隠れるような深い噛み合わせ(過蓋咬合)も、口呼吸によるものなのです。
口呼吸は睡眠も悪くする
口呼吸をしていると舌の力が衰え、睡眠状態も悪くなります。睡眠状態が悪ければ、当然子どもの発達にも悪影響が出てきます。
口呼吸の子どもに多く見られるのが富士山型の上唇。下はフラットだけど上唇が(なだらかな山ではなく高い富士山のような)三角になっている状態です。たいてい口は半開きで歯が見えていることもあります。
怪しいなと思った時は小児科で見てもらうとよいでしょう。
【もしかしたら口呼吸!? チェックリスト】
- 睡眠中に口が開いている
- いびきや歯ぎしりをする
- 口臭がある
- 鼻炎、中耳炎などで耳鼻科に通っている
- 激しいスポーツをしている
- 鼻血がよく出る
- 食べるときに音を立てる
- 上唇が富士山のような形をしている
- 噛み合わせが深い(過蓋咬合)
これらに該当する場合は、一度歯科医にご相談ください。